社長メッセージ
挑戦と絆で、
能登から世界へ新たな「食」の可能性を
寛永17年(1640年)の創業以来、弊社は「技術力と開発魂」を原動力に、常に時代の先頭を走り続けてきました。創意工夫を重ね、独自の技術開発力を研鑽することで、業界初、世界初となる数々のヒット商品を生み出してきたことは、私たちの誇りです。
明治40(1907)年から100年ブランドとなった「ちくわ」、そして70年以上のロングセラー「ビタミンちくわ」。さらに、世界中に“スギヨ”の名を知らしめた昭和47(1972)年開発の「かに風味かまぼこ(かにあし)」、そして本物のカニを超えたと評される「香り箱」とその発展形である「香り箱 極」といった革新的な商品群は、長年にわたる先人たちの技術の蓄積と、開発へのあくなき挑戦心の賜物です。これらの歩みがスギヨを、水産加工食品を太い幹とする開発型総合食品メーカーへと成長させてくれました。
私たちが常に立ち戻る原点、それは、本社機能と最大の生産・開発拠点を置く「能登」の風土に他なりません。世界農業遺産に認定されている「能登の里山里海」がもたらす豊かな山海の恵み、伝統文化、食文化こそが、スギヨのものづくりの礎となってきました。平成19(2007)年からは、その能登の地で農業事業にも参入し、能登の持つ素晴らしい資源や食文化の可能性を追求しています。
しかしながら、2024年1月1日に発災した能登半島地震は、私たちと、愛する能登の地にとって、大変大きな試練となりました。多くのものが失われ、今もなお復興への道のりは続いています。
この未曾有の困難の中、私たちが改めて深く感じたのは地域との深いつながり、そしてスギヨの技術と開発力が能登において果たすべき役割についてです。
私たちは、この能登の地に根ざす企業として、創業の精神と技術力を結集し、被災からの復旧・復興に全力を尽くします。そして、「食」を通じて能登の魅力を再び世界に発信し、農業を含めた地域産業の活性化と雇用の創出に貢献することで、能登の未来を切り拓く一翼を担う決意です。
能登の恵み、伝統の食文化、そして私たちが培ってきた先進の加工技術と開発力を相乗させ、困難を乗り越えた新しい「食」を世界へ届け、その利益を地域へ還元する。この循環型事業の確立こそが、新生スギヨの使命です。
能登に根ざしたローカリズムを世界へ広がるグローバリズムに直結させる。
一次産業から三次産業までを複合した六次産業の賜物を世界の食卓へ発信しふるさと能登の復興と発展に貢献する、スギヨの新たな挑戦にご期待ください。

代表取締役社長 杉野 浩也