日本海に突き出し、長い海岸線が続く能登半島。三方を海に囲まれる一方、内陸は起伏に富んだ地形で、風光明媚な自然景観がそこかしこに点在しています。海、山の自然条件と溶け合った農村文化が古の時代から現代まで、大切に受け継がれています。私たち日本人の琴線に触れ、心を癒す素朴な懐かしさが能登にはあるのです。

「能登はやさしや土までも」――。
能登に住む人々の人情味にあふれた気風を表現するフレーズです。多くの観光地や農村漁村、温泉地、祭礼など足を運ぶ先々で出逢う人たちと接する中で、素朴でまじめ、他人に気遣いができる人柄、その奥にあるもてなしの心に誰もが心癒されるはずです。人と人が触れ合う「温かさ」を、能登は思い出させてくれる場所です。

能登は食の宝庫。豊穣の海に育まれた魚介の数々は、新鮮さと滋味にあふれています。、魚やイカなどに塩を加えて発酵させた魚醤の「いしる」「いしり」は、旨み成分をたっぷり含んだ能登特有の伝統調味料として知られています。能登の風土が長い歴史の中で育てた味覚は、今も多くの食卓で息づいています。

能登には伝統に根ざした数多くの技が、今も息づいています。能登の自然の恵みを美しい工芸品や食に昇華させる人の技は、自然との調和を重んじて生きてきた人々の知恵の結晶です。親から子、師から弟子へと連綿と伝わる技能伝承の中で能登の魅力としてさらに磨かれ、この先も受け継がれていきます。

能登では他の地域には見られない特異な祭礼・奇祭が四季を通して各所で営まれます。何世代にもわたってこの土地に生まれ育った人々の願いが込められています。男衆の熱気に満ちた勇壮な姿は、時を超え、過去にその地に生きた人々の姿とも重なります。