ただカニに見た目や食感が似ているというだけでなく、
アレンジ自在で便利なヘルシーフードとして、 国境を超えて愛される謎に迫る!


surimi
(すり身=カニかまぼこ)
日本でお馴染みの「カニカマ」は、海外では「SURIMI(すりみ)」と呼ばれる場合が多く、「Crab stick」「imitation crab meat」などと呼ばれることも。
魚の”すり身”という意味合いは含まれてなく、単純にカニカマをさす単語として定着。日本生まれの加工食品だということを知らない人が大半。
(補足)世界大百科事典ですり身を引くと「魚肉に糖類などのタンパク変性防止剤を加えた練製品原料。凍結状態で貯蔵するので冷凍すり身ともいう」とある。



世界のカニカマ生産量

業界紙の情報を基に当社で集計(2021年)
クラゲのイミテーションから生まれたカニカマは、この50年の間に全世界に広がった。世界で一番カニカマを食べている国フランスでは、スナックとしての需要拡大が進んでいる。
ヨーロッパにある、リトアニアに世界一の生産量を誇るカニカマ工場があり年間約8万トンを生産。カニカマの主な原材料スケトウダラは、世界一漁獲量が多い白身魚と言われる。

どうしてカニカマは世界で人気なの?
世界のカニカマ人気は、多くの理由が複雑に絡み合っている?!
欧米における狂牛病(BSE)問題や健康ブームも追い風となり肉食から魚食人気が高まる中、 魚介類をあまり食べていなかった国・地域でも カニカマが本物のカニよりおいしくてヘルシーということで需要が高まっていく。
世界で起こっている「和食・寿司ブーム」も人気を後押し。
各国のレストランやホテルで料理に使用するようになり、今では一般家庭で食べられている。
天然カニが減少すると価格が上がるため、安いカニカマは世界中で歓迎されている。
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シーフードの中でも
エビ・カニは 国際的に人気食材 -
本物のカニより
値段が安く おいしくてヘルシー -
風味・食感・見た目で
カニを食べた気分を 味わえる -
調理の手間がなく
サラダなど 食卓の彩りに最適 -
世界で起こっている
「和食・寿司ブーム」 -
魚臭さがない
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殻がないから
食べやすい -
低カロリー・
低脂質 「健康食ブーム」 -
筋肉をつくる
良質なタンパク質を 手軽に摂取 -
水産資源・
地球環境に やさしい食べ物
カニカマはどこで作られているの?
日本のほか海外での生産は、アメリカ、フランス、スペイン、イタリア、ブラジル、アルゼンチン、リトアニア、ベラルーシ、モロッコ、インド、中国、韓国、タイ、台湾、マレーシア、オーストラリアなど。
カニカマはkg単位で売られている!??
海外で驚くのは、その量とバリエーションの豊富さ。
そもそも海外の食料品は、何でも大きめではあるけれど、さすがに1〜2kg単位のカニカマ、どうやって消費するのか気になるところ。種類についても多彩。
長いものから短くカットされたタイプ、輪切りやロール状にしたもの、チーズ入りやソース付きのもの、ハーブなどで味付けされたもの、オイル漬けにしたものまで、さまざまなカニカマがずらり!
冷凍からチルドまで高級感のある魚介類と同等に扱われていたり、デリコーナーで量り売りされていたり。水産部門ではスモークサーモンより売上がいいというウワサ。


どんなアレンジで楽しまれているの?
気軽に使えるシーフード的な存在。大消費地フランスでは、サラダやキッシュ、おつまみや前菜、サンドイッチなどあらゆるメニューで、見た目もオシャレに。カニカマレシピをまとめたレシピサイトや本まである!
スペインではカニカマアヒージョが定番、アメリカではカリフォルニアロールの具材、南米・アジア地域では寿司の定番、香辛料との相性も抜群で中国料理の食材にも使われている。
海外のカニカマは風味が少なく硬いものも多く、惣菜コーナーではマヨネーズで和えた組み合わせがベーシック。
定番のカニカマの食べ方



(食前酒のつまみ)

どんなシーンで食べられているの?
カフェやレストランで
ジュレ、ファルシ、ミルフィーユなど様々な創作料理(前菜・オードブル盛り合わせ)の具材、サンドウィッチの具材として提供されている。
ファストフードで
イギリスやオーストラリアでは、現地のファストフード「fish&chips」スタイルで、カニカマにパン粉をつけた揚げものが、ポテトフライと一緒にセットで売られている。
スポーツ観戦で
アメリカでは、フットボール時期にカニカマをディップしながら食べるスタイルが定番。
屋台で
タイなどアジア地域の「町の屋台」では、串刺しカニカマが鍋に入っていたり、揚げたタイプのカニカマを出す屋台もある。


タイのカニカマの
地位がおもしろい!?
タイ語では、カニカマのことを「プーア」と呼ぶ。プー=「蟹」、ア=「圧縮、人工的な」の意である。
タイでカニカマを見つけようとすると、スーパーやコンビニエンスストアの売り場はもちろん、レストラン、和食屋、おしゃれカフェ、韓国料理、たこ焼き、町の屋台料理にすら簡単に見つけることができる。日本で例えれば、ウインナーとか玉子のような存在で何にでも使えるという位置づけだ。
日本のように「ホンモノの蟹じゃないじゃん、これ!」と言った虐げられた存在でなく、本物の蟹肉より味が濃い、結構あの赤い色が食べるシーンに彩を与えて重宝、ゴージャスなイメージもあると言うから日本人の持つイメージとはかなり違う。
確かにスーパーで見ると他の練り物に比べれば、決して安い食材ではない。もちろん、ピンキリあるがスーパーではひと袋300円〜500円と言ったところが主流で、日本以上に高価格。
テイクアウト用のサラダバーにもカニカマが食材のひとつにあるし、カニカマ茶碗蒸し、カニカマサンドイッチなども置かれている。
現地に長年住む日本人に聞くとタイのお寿司屋さんで人気のネタは①サーモン、②マグロ、③カニカマ、だそう。その人気ネタを聞いて日本のお寿司屋さんとのギャップにビックリするが、郷に入れば郷に従えで、今回、出来る限りそんなメニューを食べてみたのでリポートする。

巷で流行りのライスペーパで野菜とカニカマを巻いたもの。55バーツ(180円程度)

170バーツ(550円程度)。
シンプルな美味しさ。

とび子をトッピングし、めちゃクチャ鼻にくるわさびマヨネーズを効かせて食べるのがタイでは人気なのだとか。89バーツ(280円程度)

シーフードと言えばカニカマ。
99バーツ(320円程度)

たこ焼きの具の人気は①たこ、②シュリンプ、③カニカマ、④サーモン、の順。
カニに憧れをもっていない、もはやカニカマはカニカマ。
日本でも、海外のようにカニカマのバリエーションや活用用途が増えれば消費量もグンとアップしそう。
日本生まれジャパンカラーの未来が楽しみ。