Story
商品開発秘話
うな蒲ちゃん
練り製品の新たな可能性に挑む
![](/img/special/story/unakama/img-unakama01@2x.jpg)
業界を、再び盛り上げたい
昭和48年ごろには約120万トンもの生産量を誇った水産練り製品も、年々その量は減少し、約50万トン台まで落ちていった。練り物業界は戦後最大の発明と言われたかに風味かまぼこに続くヒット製品に恵まれず、近年の生産量は横ばいが続いていた。
その反面、日本の和食は世界的に人気が出始め、海外からも注目されていた。そこで、水産練り製品にもその人気の中心となるような画期的な製品をつくり、もう一度練り物業界を活性化させたいという強い思いが開発チームにはあった。
カニカマに次ぐ革命的な製品を
練り物業界には、すり身を使用した世界的ヒット製品がカニカマ以降は生まれていない。だからこそ、すり身を使って新たに革命的な製品を作りたいと開発チームは考えていた。
そこで注目したのが、全世界の約7割を日本人が消費している「うなぎ」だった。うなぎの特長的な味や食感を、カニカマのようにすり身で再現できないか。また、本物のうなぎには小骨があるので、老人や子どもにも食べやすいものを作れないか。再び、スギヨの新たな挑戦が始まった。
![](/img/special/story/unakama/img-unakama02@2x.jpg)
本物に対する、飽くなき探究心
まず、本物のうなぎの理化学的成分を分析すると、約25%が脂肪分であることが分かった。近年の消費者の趣向を考えると、できるだけ脂分を取りたくない人が多い。そこで、脂を使わずにトロッとした食感を出す方法を研究し、発見したのが「こんにゃくゼリー」だった。
すり身とこんにゃくゼリーを混合することで、うなぎの特長的な食感を生み出すことに成功する。さらに、うなぎの蒲焼のような見た目を追求し、表面に筋を入れたり、皮肉の部分にはイカスミを使用するなどして、リアルな見た目や色合いを再現した。
![](/img/special/story/unakama/img-unakama03@2x.jpg)
話題となり、再度脚光を浴びる
見た目や味だけでなく、小骨のざらざら感や、皮の美味しそうに焼けた色合いまでこだわり抜き、試行錯誤の末に完成した「うな蒲ちゃん」は、試験販売などを経て、2016年、満を持して全国で発売された。
発売後は、数々のメディアが殺到し話題に。第66回全国蒲鉾品評会では特別賞を獲得し、業界でも高く評価された。世界で初めて生み出したカニカマに続き、「うなぎ風味かまぼこ」という新たなジャンルが誕生する。またも世界初の製品を生み出したスギヨの優れた研究開発力が、世に知れわたった製品となった。
![](/img/special/story/unakama/img-unakama04@2x.jpg)
![history](/img/special/story/unakama/img-subttl@2x.png)
うな蒲ちゃんの歴史
- 2010年(平成22年)
- うなぎの蒲焼き風かまぼこの開発に着手。
- 2013年(平成25年)
- 計20万枚を試験販売。
![](/img/special/story/unakama/img-item01@2x.png)
- 2016年(平成28年)
- 「うな蒲ちゃん」を発売する。